由布岳東峰 2014.12.23

ゆふだけとうほう・1582m(大分県由布市)



由布岳(ゆふだけ)は、大分県由布市にある標高1,583mの活火山。東峰と最高峰の西峰(山頂には1583.26mの一等三角点がある)の2つのピークからなる。円錐形をしていることから、豊後富士とも称される。 由布院盆地では、各所から由布岳の独特な山容を望むことができるため、ランドマーク的な存在となっている。

丹沢山
由布岳

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歩行距離 5.8km
所要時間 5時間25分
累積標高差 (+) 758m  (-) 800m
コース 東登山口10:25 → 日向越11:15 → 由布岳東峰13:55 → 合野越15:20 → 正面登山口15:50 


前回由布岳に登ったのは2011年の7月で、正面登山口から由布岳東峰までを往復した。天候が悪く終始何も見えない状態だった。その時は由布岳東峰と西峰の分岐であるマタエに着きどちらに登ろうかと迷ったが、鎖場のある西峰は険しそうなので東峰に登った。

今回は、東登山口と東峰を往復する計画だ。昨日は、鶴見岳に登り湯布院の道の駅で車中泊する。寒波の襲来により道路には積雪があり、日蔭では凍結している場所もある。慎重に車を走らせ正面登山口を過ぎる。そばの駐車場は車でいっぱいだ。エコーラインを左に折れ凍結気味の道を慎重に進む。東登山口には、駐車場はなく道端に車を止める。他には1台の車が駐車しているだけで不安が増してくる。大丈夫だろうか・・・。

気を引き締め東登山口に入る。犬の足跡だろうか、雪の上に点々としている。登山道には由布岳が日蔭になり、積雪が融けずに残っている。緩やかな上りの樹林帯を進む。途中、大きな岩の間を抜ける。樹林がまばらになり積雪が深くなる。注意書きには、この先岩場は滑りやすい個所があるとの注意書きがあり、不安が更に大きくなる。雪を踏みしめながらジグザグの登山道を登って行く。健脚の中高年男性が追い越していく。滑り止めにアイゼンを履くことにする。昨日の鶴見岳で初めてアイゼンを使ったが、慣れないので取り付けに手間取る。日頃の練習が必要だと痛感する。樹林帯を抜けロープや鎖が取り付けてある急登の岩場を慎重に登って行く。かなりの角度の上りに時間を要す。最近、腕力の衰えを自覚するようになった自分にはとてもハードだ。 目の前にそそり立つ岩稜が見えてくる。あんな急な岩場をはたして登れるだろうか・・・。

岩稜を登る前に、見晴らしのいい岩の上で昼メシを食べることにする。雪の上にマットを敷き、鶴見岳の雄大な山容を見ながらカップヌードルを食べる。力を蓄え再び登り始め、鎖場の岩の割れ目をよじ登る。登山道の雪は深くなり、アイゼンがきかなくなったので取り外す。滑りながら登って行く。 大変なコースを選んでしまったと後悔する。正面コースから登るべきだった・・・。狭くて急な岩場をよじ登り切り、火口縁に達する。前方に由布岳東峰山頂が見えてくる。もう少しだ。平坦な積雪のある火口縁を辿る。右手に由布岳西峰と御鉢が見えてくる。由布岳東峰の最後の上りになる。深い積雪のある岩の道を滑りながらよじ登る。帰りは同じ道を下る予定であるが、落ちてしまわないだろうか・・・。また不安が頭を過る。喘ぎながらようやく由布岳東峰山頂に立つ。山頂に二十名近くいるだろうか。若者が多い。今日は晴れて視界がよく北東方向には、由布岳西峰、その右手には火口跡周辺に御鉢が続き東峰までつながっている。よく見ると御鉢巡りしている登山者が数名見える。細い岩稜の上をつたっている。怖くないのだろうか・・・。自分にはとても無理だ。南西側に九重の山々が見える。前回の由布岳で見ることが出来なかった絶景を目にすることができた。想像に違わぬ素晴らしい眺望だ。来てよかった。

十分に景色を見た後、登ってきた同じ道を下るのは怖すぎるので、正面登山口方向に下ることにする。再びアイゼンを履き、凍った急な岩場を慎重に下って行く。前方には、鋭い岩稜の由布岳西峰が見える。アイゼンの爪が岩にかかり下りにくい。マタエまで下り火口跡を写真に収める。帰りは、予定を変更したので正面登山口まで下り東登山口まで舗装道を歩かなければならない。気が焦り早足で岩の道を下って行く。前回辿った道なので少し安心感がある。しかしそこに大きな落とし穴が待っていたのだ・・・。突然アイゼンの爪が岩場にかかりバランスを崩し、体が大きく宙に浮いたと思うと、いきなり顔面を岩に強打してしまった。額から血が噴き出る。あ〜!!ついにやってしまつた・・・。近くを下っていた若者グループと中高年男性が心配して駆け寄ってくる。 気を失わなかったことが幸いだ。若者から傷の場所を聞き消毒する。傷は思ったほど深くはなく、女の子が軍手をくれたので頭の血を拭い、カットバンを貼り、包帯をする。これまでの沢山の山登りで山に慣れ過ぎ気の緩みが生まれ、慎重さを欠いていたことを大いに反省する。山をなめていた。山登りは危険を伴うということ再認識する必要がある。

気を取り直し下山を続ける。心配した地元の中高年男性が山麓まで付き添い、車で送ってくれるというので、お言葉に甘えることにする。「頭は痛くないか。帰ったら病院に行った方がいい。」とか気遣ってもらう。とても親切な人だ。お互いに山登りが好きな人間として、連帯感が湧いてくる。下山を続けながら九州の山の情報を交換する、その人は、大分県の山を中心に登っており、主要峰はほとんど登ったそうだ。急ぎ足で下り合野越を過ぎ、正面登山口の駐車場に止めてあった車で、東登山口まで連れいってもらい、別れを告げる。何のお礼もできなかったことに悔いが残る。どうもありがとうございました。

明日は、九重の山に登る予定であるが、包帯を巻いたままで登ろうか・・・。迷ってしまう。とにかくいつも行く長湯温泉の道の駅まで移動し、車中泊して考えることにする。翌日は、大事をとって萩に帰ることにした。反省すべき山行となってしまった。



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狭霧台展望所から由布岳を見る。
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狭霧台展望所から湯布院市街を見る。右の山は福万山(1235.9m)。
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東登山口の道のそばに車を止める。
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犬の足跡?
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東登山口に入る。登山届を出す。
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大きな岩を通過する。
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↑ 印象に残る巨木。
雪が深くなる。→
岩場や滑りやすい個所があるとの注意書きあり。→
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慣れないアイゼンを履く。

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樹氷・・・
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↑ 急登の岩場を登る。
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九重連山が見えてくる。
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道は険しさを増す。
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道は険しさを増す。
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鶴見岳(右端)がよく見える。
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昼メシを食べながら更に登る急登を見る。岩の割れ目の間をを登ることになる。
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若者・中高年の混成グループとすれ違う。
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右のピークは剣ヶ峰か?
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鎖場を乗り越える。
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深い雪の急登になり、足が前に進まなくなる。

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火口縁にでて、前方に東峰を見る。
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火口縁より由布岳西峰を見る。
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目指す由布岳東峰
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由布岳東峰に到着する。
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由布岳東峰から見る九重の山々
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由布岳東峰から鶴見岳を見る。
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由布岳東峰からマタエ方向に下山を始める。由布岳西峰に登る稜線を見る。
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マタエを見る。

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狭霧台展望所と湯布院市街を望む。
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マタエから火口跡を見る。
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西峰と東峰の分岐・マタエ

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急坂を下山する。
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小鹿山(727.6m)を見る。
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小鹿山(727.6m)を見る。
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親切な大分のベテランと合野越(ごうやごし)まで下る。

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樹林帯を抜け牧草地を下る。
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樹林帯を抜け、牧草地より由布岳を振り返る。
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牧草地より由布岳を見る。



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